踏みはずし

うつ病で社会のレールを踏みはずしたけど、楽しく生きていきます。

葛飾区東四つ木、昭和の香りを残す「木根川商店街」を訪ねた。

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東京は葛飾区の西端、首都高を見上げる荒川・綾瀬川のほとりには、未だに昭和の香りを残す「木根川商店街」があります。

昭和の香りを残す「木根川商店街」を訪ねた

はじめに 歌やマンガの舞台にもなった町・木根川

荒川・綾瀬川に面する東京都葛飾区の西側、京成四ツ木駅から歩いて10分ほどのところに「木根川商店街」という小さな商店街があります。

ここは、さだまさしの曲『木根川橋』で歌われた土地として知られています。

また、世界的サッカーマンガ『キャプテン翼』作者、高橋陽一の地元がこの辺りであり、同作者の野球マンガ『エース!』では、こことそっくりな高速道路がある河川敷が描かれています。

それらに登場するのは昭和、またはせいぜい平成初頭の風景でしょう。

しかし、そんな懐かしい風景、時代は遠くなりつつあります。

2019年現在、“商店街”といっても営業している商店はほとんどありません。

かろうじて入口付近の美容室は営業しているが、それ以外の人の生活の気配のない老朽化した建物は、そう遠くないうちに取り壊されてもおかしくないでしょう。

時の流れに従い、古いものがその形を失うことは避けられないことです。

もしそれを郷愁の念だけを理由に残すとしたら、それは取るに足らない感傷に過ぎず、むしろ不自然なことだと思います。

しかし、それを記録・記憶したいと思うことは全く自然な感情だとも思うのです。

その感情が何を意味するかなどわからなくとも、人にはそういった性質があります。

そして、ものがなくなった後でも、その記録やそれが思い起こす記憶は、自分やそれを見た他者の感情を揺さぶるかもしれません。

ともあれ、失われゆく風景には人をかき立てるものがあります。

私はそれに従い、その古びた商店街を歩いてきました。

この記事では、木根川商店街を中心に、その他ゆかりのある場所を訪ねた記録を記します。

杵川商店街の町並み

アクセスは京成四ツ木駅から荒川・綾瀬川沿いに南へ下るのが一般的です。

ですが、今回私は反対の中川沿いを歩いてきたので、商店街の裏側から入ることになり、画像もその順番に掲載します。

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木根川商店街の南側にある杵川小学校のプール横の細い道を歩いていきます。

外側からだとどこにあるかわからないほど小さな商店街です。

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歩いていくと、タイルの曲面が特徴的な、古びた長屋が現れます。

ここが木根川商店街です。

手前は、パーマ屋だったのでしょうか。

しかしご覧の通り建物は老朽化しており、商店が営業している気配はありません。

 

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このパーマ屋の隣りにある「中華料理 宮城」は、今年(2019年)の2月まで営業していたそうです。

実は私は数年前、まだ営業している時にここを訪れたことがあります。

店内はお世辞にもキレイといえるものではありませんでしたが、ラーメンは“中華そば”と聞いて誰もが思い浮かぶ、昔懐かしいシンプルな醤油ラーメンで、しっかりと美味しかった記憶があります。

そして何より、その時いらっしゃった、数人の常連さんとお話させて頂く機会に恵まれました。

その方たちは昼間から飲んでいましたが、そのゆったりとした光景と人懐っこい笑顔は、ずっとこのままでいてほしいと思わせるもので、それほど歳を重ねていない私でも、懐かしさ、温かさを感じました。

しかし、その方たちのお話を聞くと、様々苦労されてきたようでした。

「仕事で指を失った」と笑いながら言い、その手を見せていただきました。

陽気な笑顔だけでなく、私には想像のできない苦労が現れており、一人の人間の人生、感じ、この古い町はそれを見守ってきたのだと感慨深くなった思い出があります。

非常に貴重な時間を過ごさせていただきました。

この最後の店舗も、すでに人の気配はありませんでした。

 

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かつては天蓋があったのでしょうか、骨組みと電灯の残骸があります。

飲食店の看板がかつての賑わいを思い起こさせます。

 

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ほとんどの扉は封されており、壁はところどころ剥がれ落ちています。

打ち捨てられた二槽式洗濯機が物悲しくも、当時の生活を忍ばせます。

 

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この商店街で特徴的なのが、頭の上を通る入り口の渡り廊下です。

ここの商店街で生活を営んでいた人々は、どの様な関係を築き、このつながった建物を利用していたのでしょうか。

中央に見える三輪車で、1人の男の子が遊んでいました。

商店街て唯一営業いている「美容タジマ」の子どものようです。

かつては多くの家族がここで暮らし、子どもも多く、皆兄弟のように暮らしていたのかも入れません。

 

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現在、この建物がどこまで現役で使用されているのでしょうか。

渡り廊下の上から声をかけたり、子どもだったら楽しいだろうと思います。

 

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入口側から宮城の方を見る。

 

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入り口全景。

洗濯物が干してあり、ここだけは人の生活があります。

渡り廊下の段になった窓も見えます。

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木根川商店街の入り口から歩いてすぐの川沿いの堤防へ向かうと、首都高の下から平成のシンボルとも言える、東京スカイツリーが見えます。

新しいものが生まれていき、古いものはその姿を消していくのです。

木根川薬師(浄光寺)

ここからは少し、商店街周辺の風景を紹介します。

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青龍山浄光寺、通称・木根川薬師は、関東大震災や太平洋戦争などで被害を受けましたがその都度復興してきました。

歴史的には1000年以上前からその記録が残る由緒あるお寺です。

徳川吉宗とも縁があるそうです。

青龍山 薬王院 浄光寺-木下川薬師 | Top

以前、「中華料理 宮城」を訪れた際にお話しさせていた方々にも「薬師様に行ってみな」といわれたので、この土地に暮らす人々の暮らしの一部となっているお寺なのだと思います。

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境内からは見える空中を走る首都高は、なんだか不思議な光景です。

また、この木根川薬師のすぐ裏には中川中学校があります。

 

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この中川中学校は歌手のさだまさしさんが在籍していた学校で、本人作の『木根川橋』でも歌われています。

曲中でも「木造校舎すっかりなくなっちまった」歌詞があり、ここを歩きながら、そんな古い風景の想像が頭をよぎります。

王子白髭神社

そのさだまさしの『木根川橋』の歌詞に、「白髭神社の縁日」という歌詞があります。

中川中学校にのすぐ横には、「王子白髭神社」があります。

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ですが、この“白髭神社”は、歌詞に出てくる白髭神社ではありません。

私も歩きながら「こんな狭いところで縁日?」と思い、帰宅してから調べると、どうやらもっと線路側に近いところにある「澁江白髭神社」が、歌詞の舞台のようです。

歌詞に「木根川橋から水道路抜けた」とありますので、地図と照らし合わせて見ていただければと思います。

木根川橋

その木根川橋です。

荒川という広い川を渡る大きな橋です。

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スカイツリーが見えます。

この橋を渡ると墨田区で、町の雰囲気も変わります。

四ツ木駅

木根川商店街の最寄り駅、京成四ツ木駅です。

四ツ木は先ほどお話したように、マンガ家・高橋陽一の地元です。

そのため駅は、代表作であり世界的な人気を誇るサッカーマンガ『キャプテン翼の』のキャラクターで彩られています。

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ちょうどこの少し前、サッカー史上で最も優れた選手の1人とさえ評価されている、元スペイン代表のアンドレス・イニエスタがこの四ツ木駅ににやってきたということで、その等身大の人形が設置されていました。

 

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駅にはこういった展示を目的に訪れたと思われる外国人の旅行者も多数見られました。

先ほどまで、日本の昭和の風景の中にいたはずが、一気に国際色豊かな光景の中に紛れ込み、不思議な感じがしました。

それでもやはり、高架の駅の上からは東京のいわゆる下町の風景を眺めることができます。

 

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木根川商店街の方向ですが、建物に埋もれてここからは見えませんでした。

 

以上でこの記事は終了となります。

木根川は商店街を中心に、今もまだ昔ながらの町並みを伺うことができます。

ですが時間を追うにつれて、その面影は消えていってしまうでしょう。

それは自然な成り行きですが、心に感じるものがある方は、早めに足を向けていればいかがでしょうか。